高校は西蒲原の巻農でした。SUというその娘はNTという女子高でオイラ達より一つ先の駅で降りました。
とても髪の毛が長くつやつやのサラサラでした。しかもその色は栗色でつい触りたくなるようにきれいでした。風が吹くと髪がなびき甘い香りが漂ってくるようでした。
当時「エメロンシャンプー」のCMが流行っていてマイクを持ったレポーターが街を歩いてる後姿の長い髪の女性を追いかけていってマイクをむける奴です。「振り向っかないで~~」って。
髪の長いは七難かくすといわれますが、CMに出る女性よりもSUさんはずっとずっと素敵でした。
「フォールインラブ」という言葉がありますが、一目で好きになりました。
でもオイラは一言も話をすることが出来ません。いつも同じ車両に乗りながらも近くに行く事はできず、離れたところからじーっと見つめてるだけです。そのくせ目と目があうと瞳の奥を覗くように見つめたのです。すると向こうもこっちを覗き込むのです。
「あっきっと向こうもオイラに気があるんだ」と思い込んでしまうのです。
何とか話をしよう。話をするんだ。と自分に言い聞かせるのですが胸がドキドキして言えません。
帰る方向も同じでその娘はいつも3人ぐらいで歩いて帰っていました。オイラは自転車でゆっくりゆっくり後からついてゆき、声かけよう声かけようと行くのですがその瞬間になると自転車のペダルを力いっぱいに踏んで一目散に追い越してゆくのです。
ある日彼女が一人で歩いて帰るときがありました。「今日だ」と意を決して自転車を駅に捨て後からついてゆきました。なんとその日のその道の長かった事。心臓が張り裂けそうでした。
ある場所で彼女は立ち止まり、オイラの方を振り返りました。オイラも立ち止まりました。
オイラは勇気を振り絞って言いました。
「・・・・・・・・・今日いい天気だね」
その日は確か曇り空のようでした。
オイラの初恋は終わりました。駅に戻って自転車にまたがり頭を下げて全速力で突っ走りました。家を過ぎてもとまる事はなく唯唯自転車をこぐしかない自分でした。
それ以来女性はショートカットです。
初恋はレモンの味がするといいますが、レモンがないので伊予柑とポンカンで代用です。
(-_-;)
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